『GoProをマスクに取り付ける』

 

 

  インドネシアに行くことになった。目的は、採取を行う研究者の安全管理。グループ全体の動きを記録する手段として GoProを使うのだが、採取のサポートも併行するので、マスクに固定することとなった。

  GoProには アウトドアパックがあるのだが、これが何ともしっくり来ない。

 

  ようは GoProの土台となるL型金具をマスクフレームに取り付けるだけなのだが、これが結構厄介。

 

  試作品として使用したマスクは、Cressi-sub RINCE(リンチェ)。1970年代前半の主力商品だが、私にとっては、未だ稼働率3割の現役器材。上下に分割されたフレームでレンズを挟み、中央部にあるタッピングを締め付けて固定している。今回はこのタッピングを M3×50mmのボルト・ナットに変更、そのために フレーム中央部を上下方向に貫通させることで取付土台となるアルミ製L型金具(厚さ2.0mm)を共締めした。

    * 穴は タッピング用として既に8割がた開いていたので、作業は造作も無かった。

 

  1台取付を頼まれたのだが、現在市販されているマスクの中で この様な金具取付方法が可能(フレームが上下分割式で、中央部にタッピングか ボルト・ナットがある)なのは、GULL MANTIS くらいしか見当たらない。

  しかし MANTISのボルト・ナットには、厚さ2.0mmのL型金具(アルミ製)を共締めできる程の余裕(長さ)が無い。現行のMANTISでは 下からはM2.6ボルト、上からは同インサートナットにより フレームを締め付けているので、下部ボルトを長いものに替えれば 厚さ2.0mmのL型金具(アルミ製)を共締めすることは 然程難しくない。しかし今回預かったのは旧型フレームのMANTISで、下部ボルトはフレームと一体成型されていて 交換できないし、上部インサートナットは特注品なので 長物の入手は困難。かと言って クリアランスを得るためにマスクフレームを削る訳にもいかない。とりあえずは L型金具を厚さ0.7mm(ステンレス製)にすることで急場を凌いだ。

 

  いざ使ってみると、幾つかの問題点が浮かび上がった。

 1. 自身の正面方向の構図を水平に保つことは出来るが、人の首にはフクロウの様な自由度は無いので、あらゆる方向の構図(例えば 並行する被写体)に対して GoProを水平に保つことは出来ない。

 2. マスクを外さないと、GoProの作動確認や切替が難しい。

 3. 自身の排気が映り込み易い。

 4. 時には接写もしたい。

 

  改良型として GoPro取付土台(L型金具)とマスクフレームの間に、市販のクイックリリースバックル(ヘルト幅20mm用、以後 QLB と表記)を介在させた。

    * 使い勝手の良さから、GoPro側をQLBソケットとした。

    * アウトドアエディション・パッケージ内のQLBとベースマウントの流用も考えたが、今回の仕様(視覚に頼れない、グローブ使用)には不向きと判断、使用を見送った。

 これにより 自身が希望する構図での撮影や作動確認・切替は、簡単に脱着して行える。更に GoProがマスクフレームよりも前に出たことで、排気(湧き上がる気泡)の影響も軽減された。紛失防止用として コイルストラップ(青色)を付加する。

  QLBには 多少のガタがある。撮影時に影響しない様に、QLBのプラグ側センタースリーブに詰め物(今回はゴム)をすることで、これを軽減した。

    * マスクの上方視野を遮らない様に、QLBはアップトリム(フレームに対して 約110度方向)に取り付けた。

 

  現在市販されているマスクの殆どは、前後分割されたフレーム(主・副)でレンズを挟み固定する構造となっているので、L型金具やQLBを 先に紹介した方法ほど簡単に取り付けることはできない。私の稼働率7割マスク、TUSA Splendive兇癲△海譴紡阿垢襦

    * フレーム 「クリア(前・副)」と「ブラック(後・主)」でレンズを挟み固定している。

  この様な前後分割式2眼マスクのフレーム中央部は 概ね中空構造となっているので、『これに貫通する穴を開ける(一部貫通)』か『フレーム中央部を上下方向に完全貫通させる』かすれば、L型金具やQLBをボルト・ナットで共締めすることは可能となる。

    * 写真は、マスクを分解して 裏面から撮影したもの。一部貫通例。

  TUSA Splendive兇任 前者を選択して 直径3.0mmの穴を開け、フレーム中央部とQLBソケット部をM3ボルト・ナット(ステンレス製)で共締めした。但し フレーム表面は概ね曲面構造となっているので、QLBの取付に適した平面にすべく、また QLBがマスクの上方視野を遮ることの無い様に、QLBをアップトリムにするためのスペーサー等を介在させた方が良い。

 

  GoPro未使用時のQLBは、カブトムシの角の様で結構邪魔になる。QLB全体が着脱できる様にするには マスクフレーム、QLBプラグ部 双方にL型金具を取り付け、これをボルト・ナットで接続する方法をとればよい。

 

  マスクフレームには割れ難く 粘りのある材質が使用されているので、大きな外力がかからない限り、殆どのマスクに関して この取付方法は有効と思える。まだまだ改良の余地はあるが‥、

 

 

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