『ドライスーツ・スクイーズの恐ろしさ』

 

 

drysuit squeeze

  潜降を始めると、周囲圧の増加に伴い ドライスーツやインナーウエアは肌に密着する。この時 適切な給気が行われないと、スーツに生じた皺に肌が挟まれ、時には幅5mmを超える赤い線上鬱血、重症化すると 青紫の まるでミミズ晴れの様なそれが、着用範囲内(顔や手以外)の至る所に見てとれる。水中では 肌全体が均等に加圧されているせいか、「特に強い痛みは感じない」(体験者談)とのことだが、傍目には実に痛々しい。

    * 体に合わないウエットスーツでも起きる。

  主な原因として 極度の給気不足が挙げられるが、軽度な給気不全でも ドライスーツのサイズ、材質や厚さ、 インナーウエアの材質、肌の質 等との複合で症状が現れる場合もある。重症化(青紫色)することは極めて稀。

 

  とあるダイビングポイントのすぐ脇に露天風呂があった。冬には 冷え切った体を温めようと、多数のダイバーが入浴していた。その日 スーツスクイーズで 体の至る所に、それも重度の線上鬱血ができてしまった彼女もいた。そんな露天風呂に おばちゃん達が大勢やって来て、彼女を見てビックリ仰天。彼女は スクイーズについて必死に説明するも、おばちゃん達には理解されない。居た堪れなくなった彼女は 風呂から上がり、外で待つ彼氏のもとへ。なおも湯船に浸かるおばちゃん達のバカ話は SMプレイだの、家庭内暴力だのと大暴走。やがて風呂から上がり、遠巻きにその彼氏に向けられる おばちゃん達の視線は鋭く、そして冷ややか。まるで 犯罪者か変質者でも見るかの様だった。

 

  ドライスーツ・スクイーズは、当人よりも その隣人に多大な影響を及ぼす潜水障害だ。 

 

 

 

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