『様々なスクイーズ』
リバースブロック reverse block
体調不良や感染症 等により 耳鼻咽喉部が炎症を起こした状態にもかかわらず 強引に耳抜きをして潜降すると、浮上時に 耳管が開放されない場合がある。こうなると 中耳と外耳(周囲圧)の圧平衡が出来ず、鼓膜が外耳側に広がり 痛みが生じる。
痛みにより「水面への帰還が妨げられる」ことから、こう呼ばれている。
潜降索・水深15m、最大水深24m のボートダイビング。透明度は頗る良い。耳がなかなか抜けず、やっとのおもいで水底に。いつもと何かが違うと感じながらも最大水深へ、そして 水深を浅くとろうとしたところで リバースブロックに陥る。
緩斜面を選び、更に「日光 中禅寺湖いろは坂」の様に 右へ左へと大きく蛇行しながら浅水域へ。超ゆるやかな減圧を図りながら、バルサルバ法で周囲圧の空気を中耳に送り続けた。何とか係留ボートの潮上で、最も水深の浅い岩の上に辿り着いた。潜降索の減圧停止ポイント(水深5m)までの距離は およそ30m、水深12m。ここからは 中層を蛇行しながら徐々に浮上して行く。勿論 ボートの潮下に流されない様に注意しながら。
今日のメンバーは 皆顔見知りで、「潜降索を利用したスパイラル浮上」も何度となく経験している。透明度も良いので日差しが差し込む。中層遊泳しながら地形を見せるのには最適。そして無事 潜降索(水深5m)に辿り着いた。
仕事だがら、当然 2本目も潜った。しかし リバースブロックにはならなかった。
歯のスクイーズ
気体は加圧されると 体積が小さくなる。潜降に伴い周囲圧が増加すれば、施療不良により 歯の内部に出来た空間は 体積が小さくなる際に 歯神経や歯茎(はぐき)を巻き込むため、その周辺部に痛みが生じる。
OW受講生にひとりいた。プール、水深1.5mで大騒ぎ。患部が紫に変色。即、講習は中止。こればかりは、潜ってみないと判らない。
上顎洞のスクイーズ
副鼻腔のスクイーズと言えば、誰もが前頭洞と答えるだろう。もっとも これ以外の副鼻腔については、正確な位置すら把握していないので、極めて馴染みが薄い。
東京辰巳国際水泳場ダイビング(高飛込み)プールは、水深5m(25m×25m)。3点セットで一気に水底まで潜ると、風邪っぴきのせいか いつになく耳が抜け難い。バルサルバ法で解消したが、上顎(うわあご)の マウスピースのペグ(突起)を噛む歯の付け根付近に違和感あり。腫れている様な 鬱血している様な、痛くはないが 歯が浮いた様な、そんな感じ。浮上しても 弱くはなるが、その感覚は僅かに残る。これって上顎洞のスクイーズ?
とりあえず その日は深度を抑えてやり過ごす。翌日 鼻水に僅かに血が混じっていた。あれってやっぱり、上顎洞スクイーズ!
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