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そもさん!

  ダイブコンピューターを購入しようと 各種機能を比較してみたのですが、大差が無いので どれにしようが決めかねています。何かアドバイスをお願いします。

 

 

せっぱ! 

  (メーカー名、機種名は敢えて申し上げませんが)当方としては、『LOGモードにおいて 平均水深が表示される』タイプのダイブコンピューターをお勧めします。

  ダイバーが消費する空気量を比較・検討する数値として 水面空気消費率(SCR : Surface Air Consumption Rate) があります。

  レギュレーターから供給される空気量は その水深(周囲圧)に伴って変化するので、一概に比較することができません。そこで平均水深を基に 「水面における空気消費率に置き換える」ことで数値を比較することが可能になります。

  この数値変化を検証することにより、そのダイバーが『どの様な状況において』空気の消費が多くなるかを知ることができます。これをバディ[チーム]に周知させることは、潜水計画の立案・実施に際しての不可欠要素(基礎データ)です。

    * 体調、うねり、潮流、透明・透視度、初めてのポイントやバディ、潜水計画 等々。

  何故なら、いかにダイブコンピューターが無限圧潜水時間や減圧停止時間を表示しようとも、それに必要な空気が無ければ 水中に留まることはできません。

    * 本来ログブックとは 『潜水計画』と『その実施結果』の双方を記入すべきもので、その計画立案に必要な数値を得る上で SCRは不可欠です。

(注意)

  左上に示した数式で得られた数値の比較は、同じ内容積のタンクを使用した場合に限られます。例えば 100気圧消費した場合でも 10Lタンクでは1000L、12Lタンクでは1200L と消費した空気量が異なります。

  因って  V(内容積)10Lタンク使用時のSCRと V12Lタンク使用時のSCRを比較する際には 『(消費タンク圧)×1.2』を、V10Lダブルタンク使用時には『(消費タンク圧)×2.0』を 数式のPに当て嵌めます。

 

(それと もうひとつ‥)

  警告音を発しない(オフにできるスイッチ付き)タイプをお勧めします。せっかく手間隙かけて水中という別世界にやって来たのに、「俗世の騒音」によって現実に引き戻されてしまっては、返ってストレスが溜まります。

    * ダイブコンピューターが発する警告音は、携帯電話の作動音や聞きたくもない音楽、街宣車が撒き散らす騒音と何ら替わりがありません。(その意味では、「ハンマーヘッド等」も無粋極まりない代物です)

  緊急事態でもないのに 音に頼らざるを得ないダイバーとは、バディやチーム、水中環境 等に注意を払うこと(視覚による情報収集)ができない 『自己中で危険を孕んだ存在』と言えるでしょう。

    * 浮上速度がコントロールできないということは、中性浮力ができないことと同義です。

(注意)

  内蔵電池の容量が大きいダイブコンピューターとリストコンパスは、近づけて装着しないで下さい。内蔵電池が発する磁界により、コンパスの磁北がズレる場合があります。

    * 過去に並列装着で コンパスの磁北が最大で30度ズレた例があります。

  現在 リストコンパス(コンパスを手首に装着)を使うダイバーは殆んどいないのですが、一時 『ホースレズタイプのダイブコンピューター・残圧計一体型ゲージ』が多数出回った時期には見受けられた事例です。

    * レギュレーター・ファーストステージに圧力センサーを取付け、通信によってタンク残圧を手首に装着したディスプレイに表示するダイブコンピューター。高圧ホースがないので当然ゲージコンソールもなく、コンパスは手首装着となります。

  「型落ち」やヤフオク等の中古ダイブコンピューター等 電池容量が特に大きいものは勿論、最新型を購入される際にも 「ダイブコンピューターの発する磁界」がコンパスに及ぼす影響を考慮する必要があります。

    * ダイブコンピューター、コンパスの装着位置・角度の検証。

 

(余談)

  自らを管理できないダイバーにバディやチームを管理できる筈も無く、また そんなダイバーが MSDやガイド、DMやインストラクターになったからといって ある日突然管理ができる様になることなど 120%有り得ません。その証拠に 相も変わらず「エア切れ」や「ロスト」といった話を耳にします。

 

 

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            scuba@piston-diaphragm.com