突然ですが、貴方はダイビング後のタンク交換、器材の取外しや洗浄 等の際に グローブをどうしていますか? 着けたまま それとも 外して作業していますか?

 

 1970年代までは ダイビングに適した、安価な素材が無く、ダイバーは専ら『軍手』を使っていました。

 『軍手』は 綿素材の編物なので 水切りが悪く、ダイビングに適しているとは言い難く、気温が低く 風の冷たい季節ともなると、編目からは風が吹き込み、更には気化熱も相まって 手が悴んでしまいます。たからダイバーは 指先が海水でふやけ、傷付き易いのを承知の上で 『軍手』を外して各種作業をしていました。

 

 80年代に入ると 現在の様な拳を握り締めるだけで水切りのできる』素材で作られたグローブが 安価で販売されるようになり、ダイバーは指先の冷えや切り傷から開放されました。

    * 水切りの良い素材とはいえ 僅かに水分は残ります。しかしそれらは体温によって暖められます。これはウエットスーツと同様の保温状況です。

    * 心に余裕が生まれれば、器材の取扱も丁寧になります。これは 器材メンテナンス(維持・管理)の向上に寄与します。

 

 近年は ネオプレンやクロロブレン等 より保温性に優れた素材や、内側には撥水性素材を用いたグローブが 安価で売られています。

 それにも拘らず、今でも多くのダイバーが寒風吹く中、切り傷覚悟でグローブを外して作業をしています。これは 『器材の進歩に対して、カリキュラムが取り残された一例』 とも言える光景です。

    * ダイビング後のタンク交換、器材の取外しや洗浄 等に際して、グローブ着用が妨げとなる様な細かい作業は 何ひとつありません。

 とはいえ 素手での作業に慣れてしまった方々にとって 「グローブ着用での作業」に移行する事は、そう簡単ではないかもしれません。そこで 気温が下がり 風が冷たくなる季節に備えて、焦らずに 夏用の薄いグローブ着用の時期から 徐々に慣らしてみては如何でしょうか。

 

 

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