まずは各器材メーカーのカタログを基に、4〜5器種ほどに絞り込みます。

    * 価格は勿論のこと、マスクの色や形は 服装をコーディネイトする時と同じ様に考えましょう。

    * 視力矯正用レンズが用意されているマスクは 各メーカーでも1〜2器種しかなく、選択肢は非常に限られます。

    * 具体的な基準が分からない方は、以下の内容を参考に『現場』で 4〜5器種ほどに絞り込み、今一度考えてから再度 店に出向いて自分に合ったマスクを選んで下さい。

 

  次は試着です。ネット購入をお考えの方は、お近くの大手器材量販店、無ければダイビングショップを数店舗回れば、何とか 先に選んだ4〜5器種の試着が出来るでしょう。友人・知人に借りられれば、生きた情報が得られて 尚結構です。そして 以下の点をチェックします。

    * 星の数は、当方が独自に判断した重要度を示しています。

 

 

マスクの大きさ ☆−−

  カタログからマスクの大きさ(実寸)を判断することは難しく、また各自 顔の大きさも千差万別です。まずは手に取り、顔に当てて鏡を見ます。

    * 上唇の淵とマスクスカートの淵を合わせるのが 位置決めの基本です。

        + 顔に直接当たる部分。シリコン製。

    * 特に男性は「小さ過ぎないか」 「スカートが眉毛に掛かっていないか」を、女性は「大き過ぎないか」を確認します。

  顔に合わないもの・バランスの悪いものは、選択肢から除きます。

 

 

フィット感 ☆☆☆

  マスクのフレームを両手・指先で持ち、顔にそっと押し当てて これを維持します。この時 顔と触れるスカートに ほんの僅か、一部分でも違和感(硬い、強く当たる 等)を覚えたものは、除外します。一度買ってしまえば、毎回 少なくとも小一時間は装着し続ける[顔に触れ続ける]マスクです。僅かな違和感でも、結果 大きなストレスになってしまいます。

    * マスクストラップは取り付けなくて結構です。

    * 決して 顎を引いて試着しないで下さい。首のうっ血が顔の皮膚感覚を鈍らせることがあります。

  各マスクのスカート形状は微妙に異なるので、着け心地に無理のないものを選びましょう。

  次は気密チェックです。『髪が顔とスカートの間に挟まっていない』ことを確認したら 『息を止める、或いは 鼻でマスク内の空気を少しだけ吸う』等してから マスクを顔正面方向に向かって軽く引っ張ります。この時 顔から簡単に外れてしまうマスク(スカート)は 顔に合っていないので、除外します。

    * 顔に合わない→気密が悪い→浸水し易い

    * 髭の伸び具合・生え具合、化粧(ファンデーション) 等によっても状況が異なります。顔(肌)の状態に注意して下さい。

 

 

視野 ☆☆−

  マスクのフレームやスカートにより、『ダイバーが鮮明に見ることの出来る範囲(視野)』は レンズ部分のみとなります。これは 日常生活から比べると、大きく制限されたものです。

  視野は広いに超した事はありません。メーカーがマスクの視野を広げる方法には「レンズを大きくする」「レンズを眼に近づける」等がありますが、何れにしても限界があります。

  各マスクにより、レンズの上下方向の視野(上方視野、下方視野)には 少なからず差があります。

    * 近年 SCUBAダイビングでは、『器材を取り扱う際に グローブ越しの指先感覚のみでは操作できす、視覚に頼らざるを得ないダイバー』に配慮して、上方視野を犠牲にしてでも、下方視野を優先しています。

(左写真参照)

  レンズの形状に違いはありますが、ノーズスペース(鼻用空間)に対するレンズの位置を比較すれば 一目瞭然です。《左》(新)のマスクは 《右》(旧)に比べ、レンズの取付位置を下げることで 下方視野を確保しています。

    * その分、上方視野が削られています。

  中にはレンズを前傾させることで 更に下方視野を確保しているマスクもあります。

    * 上方視野は 更に削られます。

 

(マスク視野の確認方法)

  1. ストラップを使う事無く、フレームに手を添えて マスクを顔に合わせます。

  2. 足を肩幅に開き、胸を張ります。

  3. この姿勢を維持しつつ、顎を一杯に上げて天井を見ます。

    * この時 上目使いで見える視野が、「中性浮力、トリム水平」時に見える視野の限界となります。(=水中遊泳時に見える上方視野の限界)

     この姿勢を維持しつつ、顎を一杯に引いて足元を見ます。

    * この時 下目使いで見える視野が、下方視野の限界。

  4. 各マスクごとにこれを行うことで、視野の違いを確認します。

 

  SCUBAダイビングでは 器材操作を見るために潜るわけではないのですから、ある程度は上方視野も考慮してマスクを選択して欲しいものです。

    * 如何に珍しい生物が身近に居ようとも、フレームアウトしてしまえば、遭遇しなかったも同然です。

  スカートがクリアシリコン製のマスクはブラックシリコン製に比べ、スカート部分の視野は不鮮明ながらも採光により 視野が広い様に感じるので、閉塞感を抑えられます。(しかし、クリアシリコンは経年劣化により 白濁します。)

  制限された視野は「首を振る」「体の向きを変える」等 『自ら率先して視覚情報を集める』という習慣が身に付けさえすれば、ブラックシリコン製マスクを選んでも、何ら問題はありません。

 

 

デザイン・色 ☆−−

  メガネ美人ならぬ『マスク美人』は存在します。どのマスクでも良いのなら、デザインを最重要視しましょう。水中映像がお手軽な昨今、写り具合は大事です。

  スーツ、BCDとのカラーコーディネイトも欠かせません。

 

マスクストラップのお手軽調整機能 −−−

  最早 どのマスクにも標準装備となりましたが、重要性は無いと考えます。何故なら、個人使用ならば毎回 顔や頭の大きさが変わる訳も無く、一度ストラップを調整してしまえば 基本的にはフード着用時以外に再調整の必要がないからです。

 

 

ご意見・ご質問等ございましたら、下記アドレスまでお送り下さい。

            scuba@piston-diaphragm.com