『ドライスーツ着脱の際に 傾斜や凹凸のある所で片足立ちして転倒』 『力任せに脱ごうとして シール(気密)部分が破れ、2本目を中止』 『背部ファスナーの閉鎖不良により水没』 等、ドライスーツの取扱に関するトラブルは 結構多いのです。特に 首の太さのシール部分に頭を通すには、ちょっとしたコツが必要です。
ここでは ネオプレン製ドライスーツの シール(気密)部分や背部防水ファスナー、そして ダイバー自身に負担をかけずに『ドライスーツを楽に着る[脱ぐ]方法』、『給気バルブへの中圧ホースの接続』、『排気バルブの基本構造(種類)と その活用方法』 等について説明致します。
「正しい知識の修得は、メンテナンス(器材の維持・管理)に繋がります。
* コーティング・ラジアルジャージ製ドライスーツをお使いの方でも 以下の内容で取り入れられるものがあれば、お試し下さい。
(話を進める前に‥)
コーティング・ラジアルジャージ製ドライスーツのことを ネオプレン製ドライスーツに対比させてシェルスーツと呼ぶ方がおられますが、本来シェルスーツとは プロテクションスーツ(身体保護のための上下着)のことであり、ダイビングにおいては ウエットスーツやドライスーツに相当します。
* シェルスーツ : ライダースーツ、スキーウエア、宇宙服
但し コーティング・ラジアル・ジャージでは言い回しが長いので、ファブリックと称して 『素材としてのネオプレン』と対比しています。
* ジャージ : jersey メリアス編みの布地
* ファブリック : fabric 編物、布地。
* ネオプレン : Neoprene (独立気泡性ネオプレン) クロロプレンの重合による合成ゴム。内部に無数の気泡を有しているので 柔軟性に富み、また 「熱を伝え難い」空気(気泡)の性質により 保温性に優れた素材です。
【ドライスーツを楽に着る】
0 背部ファスナーがスムーズに開閉することを確認し、必要に応じて(ファスナー外側に)『蝋引き』をしておきます。
* 各種グリスは 手や衣類に付着すると厄介なので、『蝋引き』をお勧めします。
1 袖を短くすべく 内側へ 交互に三つ折りした《左図参照》後、手首シール部(内側)に パウダーを薄く塗ります。
* 三つ折り : シール部に異物(砂 等)が付着するのを防ぐためです。
2 スーツの腰、膝部分で 内側に三等分に折り返します《左図参照》。こうすれば ロングブーツに足を通すのと同じで、両足を差し入れてスーツの腰部分を持って一気に引き上げれば、下半身の装着は完了します。
3 手を片方ずつ袖に通します。その際 袖の内側にある素材(ネオプレン)の接着部分を中指でなぞる様に手を差し入れて、手首シール部の装着を完了します。
4 頭を襟(首シール部)に通し、襟(首シール部)を内側に折り返します。
5 バディに背部ファスナーを閉めてもらいますが、その際 インナーウエアの噛み込みに注意します。
* ファスナーに付いているループベルトに 中・環・小指[示・中・環指]を通してから拳を握り、示指[小指]をファスナー内に差し込みながら ゆっくり引くことで、インナーウエアの噛み込みを簡単に防ぐことができます。
* バディに閉めてもらったとはいえ、本人は今一度ループベルトを引く等して ファスナーの全閉を確認して下さい。
6 排気バルブに『AUTO⇔LOCK』の選択機能が付いている場合は、『LOCK』にセットします。
* 詳細については、下記 【排気バルブの活用方法】 をご覧下さい。
【給気バルブへの中圧ホースの接続】
ウエットスーツの時にはタンクバルブを開けてから SCUBAセットを装着するのに対して、ドライスーツではSCUBAセットを装着してからタンクバルブをバディに開けてもらっているダイバーがいます。
この様な手順の違いは 『加圧された中圧ホースを給気バルブに接続することは難しい・出来ない』との理由からなのですが、実際やってみると 大した負荷はかかりません。負荷が大きいと感じる最大の理由は 『中圧ホースのソケット内部にある気密用O-リングの潤滑不良(油切れ)』であって、加圧による影響は 極めて軽度なものです。
このO-リングの潤滑には、ライトやハウジング等に使用する シリコングリスを用います。
* 金属摺動部の動きを良くするスプレー式潤滑剤(CRC-556 等)は一時的には効果がありますが、周辺部の油分を全て洗い流してしまうので 、結果的に動きが悪くなります。使用厳禁
潤滑方法は 給気バルブのプラグの先端部から3分の1辺り(矢印周辺部)にシリコングリスを薄く塗り、そこに中圧ホースのソケットを接続、これを数回繰り返します。
これをメンテナンスとして(先のドライスーツ背部フザスナーの「蝋引き」に併せて)定期的に行うことで、加圧された中圧ホースでも 給気バルブへのスムーズな接続が可能になります。
【ドライスーツを楽に脱ぐ?〜頭を抜く(個人編)】
※ 《左図 サッカーボール》を『ダイバーの左横顔』として ご覧下さい。
(手順)
0 脱ぐ前に真水を浴びて、スーツ表面・各部の塩分や汚れを洗い流します。
* 最も手軽なスーツ表面の洗浄方法です。
1 バディにファスナーを開けてもらいます。
* ファスナーは、ゆっくり優しく引いて下さい。
2 襟の折り返しを戻します。
3 〈両手〉拇指を除く四指を 顎下の襟・前部に差し入れ、四指と掌とで襟前部分を挟み持ちます。
4 挟み持った襟・前部を、両目の下まで移動させます。
5 この状態を維持しながら、それぞれの手を 襟に沿ってスライドさせて襟・後部を挟み持ちます。
* 襟に差し入れた小指が耳朶に触れる程度の位置を保持します。
6 背中を丸めて顎を引き、襟・後部を挟み持つ四指の爪が後頭部をなぞる様に、襟・後部を額方向に移動させて 頭を抜きます。
(解説)
☆ ドライスーツのファスナーは、その多くが背面に付いています。この場合 背部ファスナーを開けても ドライスーツの顎下および胸部は腹部と繋がっているので、襟(首シール部)を直立姿勢の垂直[頭頂]方向に抜く[移動させる]自由度はありません。加えて襟(首シール部)は 縦[頭頂]方向に引っ張られてると細くなるので、頭を抜くことが より難しくなります。そこで「背部ファスナーの開放による自由度」を最大限に利用した『背中を丸めて顎を引いた姿勢での額方向』に襟(首シール部)を移動させる方法が最適となります。
☆ 素材に伸縮性があるとはいえ、首の太さよりも細い襟(首シール部)に頭を通すのは、容易なことではありません。そこで襟(首シール部)の前部・後部を交互に移動させることで、素材 および ダイバーへの負担を軽減しています。
☆ 髪が長い場合は 頭を深く下げて髪を下ろし、襟足を整えた後に 上記手順に従って下さい。
* 襟(首シール部)の気密を高める(水の浸入を防ぐ)意味からも、ダイビング前日に 『襟足の手入れ』 お忘れなく。
【ドライスーツを楽に脱ぐ?〜頭を抜く(バディサポート編)】
※ 《左図 サッカーボール》を『前傾姿勢の左横顔』として ご覧下さい。
(手順)
0 脱ぐ前に真水を浴びて、スーツ表面・各部の塩分や汚れを洗い流します。
* 最も手軽なスーツ外観部の洗浄方法です。
1 バディにファスナーを開けてもらいます。
* ファスナーは、ゆっくり優しく引いて下さい。
2 本人は 襟の折り返しを戻し、前傾姿勢で顎を引きます。
* 髪が長い場合は、ここで襟足を整えて髪を下ろします。
3 本人は、襟・後部(両耳後ろ間)を外側に小さく折り返します。
4 バディはこの折り返しを 〈両手〉拇指と示指・中指・環指とで挟み持ちます。
5 本人は、〈両手〉拇指を除く四指を 顎下の襟・前部に差し入れて、四指と掌とで挟み持ちます。
6 本人は、挟み持った襟・前部を 両目の下まで移動させて、これを保持します。
7 バディは 挟み持った襟・後部を、本人の後頭部をなぞる様にして 額方向に移動させます。
8 バディが移動させている襟・後部が頭頂部に近づいた時点で、本人は バディの動きに併せて 両目下で挟み持っている襟・前部を額方向に移動させます。
(解説)
これは、前記の『本人のみで 襟(首シール部)の前部・後部を交互に移動させる』方法を バディ(2人)で手分けしているに過ぎません。
【ドライスーツを楽に脱ぐ?〜手首を抜く(バディサポート編)】
(例 : 右手を抜く)
(手順)
1 本人は 〈左手〉示指・中指を〈右手〉手首シール部内側に差し入れ、拇指とで挟み持ちます。
2 バディは、先に本人が挟み持った一箇所を基点として 手首円周を三等分する様に 〈両手〉拇指を手首シール部内側に差し入れて、示指・中指とで挟み持ちます。
3 〈右手〉手首シール部を3方向(正三角形状)に広げます。
* 手首と手首シール部との密着面積を軽減して 手を引き抜き易くする事が目的です。広げ過ぎると 手首 シール部の劣化・破損を助長しますので 注意して下さい。
4 本人は 〈右手〉拇指を環指第2関節に添えてから、ゆっくりと右手を引き抜きます。
* 挟み持った手首シール部を引っ張るのではなく、手首シール部を固定した上で 本人が手を引き抜いて下さい。手首シール部の変形・破損は その多くが、本人ではなくバディが力任せに引っ張ることで起こります。
* 例え本人が手を引き抜く場合でも 勢いをつけて行うと、手首シール部には相当量の負荷がかかり、変形・破損の原因となります。
* 手を引き抜く際の負荷に応じて 手首シール部の広げ具合を調整して下さい。
(解説)
【手を抜く】際には 【頭を抜く】時の様な摩擦抵抗を軽減してくれるジャージ面や髪の毛は無いので、『シール部を交互に移動させる』方法は使えません。そこで 手首シール部を3方向に広げて 摩擦抵抗の軽減を図ります。
時折 バディのサポートだけで手首シール部を2方向に広げている姿を見かけますが、これでは 「残る接触面」が手首に圧着されて摩擦が増えるので、結果 十分な摩擦軽減効果は得られません。バディ(2人)で手は4つ。【手を抜く】際には、3方向(正三角形状)に広げるのが最善の方法です。
【ドライスーツを楽に脱ぐ?〜脚を抜く】
(手順)
1 ドライスーツがら頭、手首を抜きます。(上記参照)
2 手首シール部を袖の内側に折り込みます。
* シール部に異物が付着するのを防ぐためです。
3 スーツの腰部分を持って ブーツの踝付近まで下げ、スーツが腰、膝で三等分になる様に折り返します《写真参照》。この状態ならば 緩めのロングブーツを脱ぐのと大差なく、安定した姿勢で足を引き抜くことができます。
* ドライスーツのブーツは「ローヒール」なので、踵を踏めば 簡単に足を抜くことができます。
☆ 『上記の各説明がよく解らない方』 または 『ジャストサイズのウエットスーツを持っているが 着るのに手間取っている方』は 本文末のアドレス宛にお訪ね下さい。
【排気バルブの基本構造】
排気バルブには、以下の種類があります。
* 手動排気バルブ〈A〉
* 自動排気バルブ〈B〉
* 手動・自動併用排気バルブ * 調整機能なし〈C〉
* 調整機能あり * 微調整不可〈D〉
* 微調整可〈E〉
当初のドライスーツには 現在の様なパワーインフレーター(給気バルブ)と排気バルブはなく、ライフベスト(初期のBCD)のオーラルインフレーターがスーツの左鎖骨部付近にあって 給排気が行われていました。その後 レギュレーターの改良や BCDの普及に伴い、現在の様な給気バルブ(パワーインフレーター)や各種排気バルブが取り付けられしました。
(ちなみに‥)
排気バルブは 左上腕、直立姿勢で正面を向く様に取り付けられています(通称「ちからこぶ」の位置)。これは 浮力過多になったダイバーが『BCD内の空気をインフレーターホース経由で排気する』(直立姿勢で左手を頭上に差し上げる)姿勢をとった時に、排気バルブが上を向く様にと 意図して決まらました。
* 特に浮上時の、ドライスーツとBCDの排気動作の一元化を図っています。
〈A〉手動排気バルブ
『排気口を上に向けて』ボタンを押すことでバルブを開き、その周辺にある空気を排出します。排出完了後も尚 ボタンを押し続けても、排気バルブからスーツ内に水は浸入しません。それは 予備室にリードバルブ(逆止弁)が付いているからです。
* 「ただ単純に 排気口を上(水面)に向けてボタンを押せば排気される」という訳ではありません。自らが姿勢を制御し、排気バルブ周辺にスーツ内の空気を集める必要があります。
* リードバルブとは、スーツ内から予備室へと 空気が一方方向にだけ流れるバルブです。
〈B〉自動排気バルブ
気密保持用のパッキンが付いた『蓋』は、僅かなスプリングの張力(↓↓)により 予備室に押し付けられています。水中において空気が有する「浮く力」を利用して、内包空気を排気する方式です。
* 下腕や足首付近に取り付けられている排気バルブは、これに属します。近年は 排気停止切替機能付きもあります。
〈C〉手動・自動併用排気バルブ(調整機能なし)
手動排気バルブの部分を 予備室の『蓋』として改良したもので、この『蓋』は 僅かなスプリングの張力(↓↓)により 予備室に押し付けられています。排気バルブ本体にはスイッチがあり、これにより 自動排気の停止(LOCK)・回復(AUTO)が選択できます。
〈D〉手動・自動併用排気バルブ(調整機能あり、微調整不可)
排気バルブ本体に設けたスイッチにより 『蓋』に作用するスプリングの張力(↓↓)を加減することで、自動排気の停止(LOCK)や『スーツ内に残しておきたい空気量(以後「残気量」と表記)』の調整(AUTO)が数段階選択できます。
* TUSA製排気バルブ「アルティメイト」 等。
〈E〉手動・自動併用排気バルブ(調整機能あり、微調整可)
排気バルブ本体に『ねじ状のダイヤル』を設け、ダイバーはこれを回すことで 自動排気の停止(LOCK)から残気量の調整(AUTO)までを 細かく選択できます。
☆ 《左図》は ダイブウェイズ製排気バルブで、手動・自動併用排気バルブ(調整機能あり、微調整可)〈E〉に属します。
残気量には、各ダイバーの好み、インナーウエアの種類(厚み)、スーツのサイズ 等により個人差があります。手動・自動動併用排気バルブで「AUTO」を選択すると、排気口を上に向けてしまうと、スーツ内の空気がダイバーの意思とは関係なく排出されてしまいますが、この排気バルブは ダイヤルを1ノッチ回すごとに 残気量をお好みに調整することができます。
* これにより 不慮の排気に伴う給気が減ります。また 不必要な給気が無くなれば、スーツ内の空気による保温効果も維持できます。
* 緊急に排気したい場合は 排気口を上に向けて 手動排気バルブのボタンを押すことで、スーツ内の空気を排出します。
☆ 排気バルブは、左上腕に付いています。ダイヤルを左に回す(LOCK⇒)と 残気量がより多くなり、全回すると 固定(LOCK)になります。反対に 右に回す(AUTO⇒)と 残気量はより少なくなり、全回すると 開放(AUTO)になります。
* ダイアルを摘んだ指先を『内側に向けて回転させれば、残気量増』『外側に向けて回転させれば、残気量減(全排気)』 といった具合に、思考能力が低下する水中においても 大変分かり易い[間違い難い]構造になっています。
(注意)
AUTO⇔LOCK の調整方法(ダイヤルの回転方向)は統一されていません(各メーカーによって異なります)ので、ご自分がお使いになる排気バルブの調整方法を 必ず事前に確認して下さい。
★ 手動・自動併用排気バルブは その構造上、着用後 ダイヤルを『AUTO』または『(AUTO⇒)全回』にしておくと、体を動かすだけで『水を含んだタオルを絞る様に』 スーツ内の空気が排出され、「給気バルブが当たって痛い」 「スーツが体に張り付く」等の不快感が生します。ご注意下さい。
【排気バルブの活用方法】
(注意)
ここで紹介する活用方法は、『ネオプレン製Myドライスーツ』に付いている『手動・自動併用排気バルブ〈D〉(DIVEWAYS製排気バルブ)』を対象にしたものです。この器種以外の排気バルグについては、文中の要点を抜粋してご利用下さい。
(ドライスーツ着用直後)
☆ 直ちに 排気バルブのダイヤルを『LOCK⇒』方向に全回します。
* ダイヤルを 『AUTO⇒』方向に全回しておくと、体の動きに伴い スーツ内の空気が排出されて、スーツが体に張り付いてしまいます。
* 残気量が少ないことによる 「給気バルブが当たって痛い」 「スーツが体に張り付く」等の不具合は、残気量を増やすこと(オーラル&パワーインフレーション)で解消されます。また 更に残気量を増やしてスーツを膨らませておけば、ダウンジャケット並みの保温効果が得られます。
(器材装着時)
☆ 残気量が多すぎて 器材装着の妨げになる様でしたら、手動排気ボタンを押して 残気量を調整(排出)します。
* 残気量の減らし過ぎによる 「給気バルブが当たって痛い」 「スーツが体に張り付く」等の不具合は、残気量を増やすこと(パワーインフレーション)で解消されます。
(エントリー前)
☆ ジャイアントスライドやバックロールの様な ドライスーツに急激に水圧がかかるエントリーを行う際には、エントリー準備(マスクやフィンの装着)を始める時点で ダイヤルを LOCKから『AUTO⇒』方向に全回します。
* これにより エントリーするまでの体の動きだけで、スーツ内の空気は ある程度排出されます。
* 残気量が多いと、エントリー時の水圧により 残気が首シール部に集中、シール部の折り返しが押し戻されて水没する場合があります。ご注意下さい。
☆ 波打際のスロープ等 足元から徐々に水に浸かる様なエントリーを行う際には、その直前にダイヤルを LOCKから『AUTO⇒』方向に全回します。
* これにより エントリー時にかかる水圧が、スーツ内の空気を徐々に排出してくれます。
(浮上開始直前)
☆ 浮上のサインを確認したら、ダイヤルを『AUTO⇒』方向に全回します。
* 浮上時の浮力調整をBCDに集約するためです。
(エキジット直後)
☆ エキジットを完了したら、直ちにダイヤルを『LOCK⇒』方向に全回して給気(パワーインフレーション)を行います。
* (冬)濡れたスーツは気化熱により冷たくなり、それが張り付いた体は一層冷えます。そこで 排気バルブを全閉にして ドライスーツをパワーインフレーション(通常よりも多い残気量に)すれば、風の強い日やボートダイビングの帰路等でも ダウンジャケット並の高い保温効果が得られます。
(注意)ブーツ&リスト排気バルブ付きのドライスーツ
下腕や足首付近に取付けられている排気バルで 自動排気停止(LOCK)機能が無いタイプでは、残気量を保持できません。
LOCK機能が付いているバルブでは、上記状況に応じて ダイヤルを『LOCK⇔AUTO (FREE)』に切り替えて下さい。
(余談)『真夏にドライスーツで潜るには‥』
ドライスーツ全盛の昨今、ウエットスーツを持っていないダイバーもかなりいます。南西諸島を除いた国内では、夏と言えども 水中にいるダイバーの体は冷えるので、ドライスーツの保温性は捨てがたい。しかし そこで問題になるのが『陸上における暑さ対策』。そこで‥、
ドライスーツやタンクは 日陰に置く、シートや濡れたタオルを被せておく 等して冷やしておき、先にセッティング、ブリーフィングを終える。出来れば日陰でドライスーツの着用を終え、その後 内部の空気を出来るだけ排出する。そして 排気バルブのダイヤルを『LOCK⇒』方向に全回した後に、タンクの冷えた空気を送り込んで ドライスーツを若干膨らませる。
* 熱を伝え難い空気の特性を利用した断熱。
事前に準備しておいた布製バケツ等で、真水・海水を頭から被り、ドライスーツの表面全体を十分に濡らす。
* 一度 重器材装着前に海に入るのは、一層効果的。
* 気化熱による 頭部、ドライスーツの冷却。
* 布製バケツならば、嵩張らず 持ち運びも便利。ロープをつけておけば、防波堤やボートの上からでも 海水を汲み上げ、それを被ることで 頭やドドライスーツを冷やすことが出来る。
+ 《左写真》小型船舶法定備品 消防用布バケツ
これはあくまでも理想型です。例え タンク、ドライスーツを冷やす(直射日光から避ける)ことが出来ずとも、ドライスーツ着用後に その表面や頭を十分に濡らすことで、ある程度の涼は得られます。
☆ ご意見・ご質問等ございましたら、下記アドレスまでお送り下さい。