【備考】
(比重)
ある物体の質量と それと同じ体積を持つ標準物質の質量との比。通常 摂氏4度の水を標準物質とする。
* ある物質の 体積1L(リットル)当りの質量(重さ)。単位は、kg/L 。
例 :体積1Lのアルミニウムの質量は、2.7kg。
(アルキメデスの原理)
液体の中にある物体は、それが押しのけた液体の重さと同じだけの その物体を浮かそうとする力(浮力)を受けます。
* 水で満たされた水槽に「タンク」を沈めると水は溢れ出します。水槽の中にある「タンク」は、溢れ出した水の重さと同じだけの その「タンク」を浮かそうとする力(浮力)を受けます。この時 「タンク」の重さが溢れ出した水の重さよりも 重ければ「タンク」は沈み(『沈む力』を有し)、軽ければ 「タンク」は浮きます(『浮く力』を有します)。
* これ以降も出て来る『浮く力』『沈む力』とは 便宜上の言葉で、物理用語ではありません。
【同等内容積(10L)タンクの比較】
(注意)
1. スチール、アルミ 何れのタンクも 正しくは極少量の添加物を含む合金で作られています。ここではそれを単一金属としての比重を基に計算しているので、その値は 実測値とは若干異なります。
* スチール合金(クロム、モリブデン等を添加) ⇒ 鉄 7.8(kg/L)
* アルミ合金(マグネシウム、珪素 等を添加) ⇒ アルミニウム 2.7(kg/L)
2. 空気の重さを 0.00128kg/L、タンクバルブの素材である黄銅の比重を 8.4(kg/L) で計算しています。
3. タンクには、製造過程で重量に若干のバラつきが生じます。ここでは スチール、アルミ各タンクの平均的重量値を計算に用いています。
4. 「ブーツの付いていないアルミタンク」との比較なので、スチールタンク・ブーツの重量・体積は 計算に含まれていません。
5. 比較する各タンクは、常用充填圧力200気圧用タンクです。
6. ダイバーが潜る海水は、1.025kg/L 、各タンクが海水中で受ける浮力は、『総体積×1.025』 として計算しています。
7. 高圧ガス保安法の施行(平成9年4月1日)に伴い、新たに製造されるタンクの刻印 および 官庁に提出する書類は全て 国際単位(International System of unit 略称 SI単位)の『Pa(パスカル)』で表示・算出することになりましたが、ここでは従来通りの『気圧』を用いています。
☆ スチールタンク
総重量 15.76?
●タンク 12.5kg
●バルブ 0.7kg
●空気 2.56kg
(体積10L×充填圧力200気圧×空気比重0.00128kg/L)
総体積 11.68L
●タンク 1.6L (タンク重量 12.5kg ÷ 鉄比重 7.8kg/L)
●バルブ 0.08L (バルブ重量 0.7kg ÷ 黄銅比重 8.4kg/L)
●空気 10L
海水による浮力 11.97kg (総体積 11.68L × 海水比重 1.025kg/L)
※ タンク重量は製造年代やメーカーにより 0.5〜1kg程異なります。これにより生じる誤差については、下記各項において補足説明致します。
* AQUA-LUNG 10L メタリコンタンク タンク重量(平均)13.5kg
☆ アルミタンク
総重量 17.16kg
●タンク 13.9kg
●バルブ 0.7kg
●空気 2.56kg
(体積10L×充填圧力200気圧×空気比重0.00128kg/L)
総体積 15.23L
●タンク 5.15L (タンク重量 13.9kg ÷ アルミ比重 2.7kg/L)
●バルブ 0.08L (バルブ重量 0.7kg ÷ 黄銅比重 8.4kg/L)
●空気 10.L
海水による浮力 15.61kg (総体積 15.23L × 海水比重 1.025kg/L)
※ 《左図》は 『両タンクの比較』を目的とした略図なので、実際のタンク形状とは異なります。
【解説】
1. アルミ合金はスチール合金よりも はるかに軽い素材なのに 何故、アルミタンクはスチールタンクよりも重くて 背が高いの?
* ここでは スチール、アルミ両タンクを単純比較するため、タンクバルブの重量・体積を計算から省いています。
海中にある物体は浮力を受けます。それはタンク内の空気も同じです。
『内容積10Lのタンクに200気圧充填された空気』(以後 空気と表記)は、
↓重さ 2.56kg (体積10L×充填圧力200気圧×空気比重0.00128kg/L)
↑浮力 10.25kg (体積10L×海水比重1.025kg/L)
なので、約7.7kgの『浮く力』を有します。
ダイバーは これを解消しないと沈まないので、そのタンクには、空気が有する『浮く力』の解消(使い易さ)と 耐圧強度の確保(安全性)が求められます。
スチール合金の比重は7.8で、体積1L当たり‥
↓重さ 7.8kg
↑浮力 1.025kg
なので、約6.8kgの『沈む力』を有します。
耐圧強度にも優れているので タンクの壁は薄く、その体積は 僅か1.6L。重さは13.5kgで、空気が有する『浮く力』(約7.7kg)も解消できます。
これに対して、アルミ合金の比重は2.7で、体積1L当たり‥
↓重さ 2.7kg
↑浮力 1.025kg
なので、約1.7kgの『沈む力』しかなく、耐圧強度も劣っています。
これを スチールタンクと同じ量(1.6L)使ってタンクを作ると、その重さは約4.3kgしかなく、空気が有する『浮く力』(約7.7kg)を解消できないばかりか 耐圧強度も満たせません。
そんなアルミタンクを実用化する方法として 壁をより厚くした(自重を増やした)結果、アルミタンクはスチールタンクよりも重くなってしまいました。
* 浮力は液体中のみ、陸上では作用しません。
(解説 その2)
異なる素材(A、B)を使って、気体Q(体積12L・重さ2kg)を収める容器を作ります。
水中にある物体は、それが押しのけた液体の重さと同じだけの その物体を浮かそうとする力(浮力)を受けるので、気体Qは 10kgの『浮く力』を有します。
これに対して‥
素材A(比重6.0)は 5kg/Lの『沈む力』 を有するので、体積2Lを使って‥
素材B(比重3.0)は 2kg/Lの『沈む力』を有するので、体積5Lを使って‥
それぞれ容器を作れば 気体Qは沈みます。
この時 素材Aで作った容器の重さは 比重6.0×2L=12kg なのに対して、素材Bで作った容器の重さは 比重3.0×5L=15kg になります。
* 浮力は水中のみ、陸上では作用しません。
アルミ合金はスチール合金よりも軽いので、アルミタンク(Bに相当)はスチールタンク(Aに相当)より 重くなってしまいました。
スチール、アルミ どちらのタンクを使う時でも、BCDやハーネスを装着する部分(タンク外径)に大差がない方が、ダイバーにとっては都合が良い。そこで 先に製造開始されたスチールタンクの外径を基にしたので、アルミタンクの空気室は細長く、その外観は背の高いものになりました。
2. エキジット間際の浅深度で、体が浮き気味になるのは何故?
タンクの総重量には、空気の重さも含まれます。
通常 ダイバーが使用する『オープンサーキット(開放式)デマンドレギュレーター』は、呼気を水中に放出します。
内容積10L・200気圧充填タンクの残圧が 50気圧になった時のタンクの総重量は、エントリー時よりも 『水中に放出された空気(呼気)の重さ』約2kg分減ります。これは、水中でウエイトを2?落とした事と同じです。
特に 「適正潜降できる限界までウエイトを減らして」、或いは「ヘッドファーストやラインを使って強引に」潜降した場合は 明らかなウエイト不足なので、ダイビング後半で 体が浮き気味になります。
* 安定呼吸下でのフィートファースト(feet fast)潜降。
3. (スチールタンクに比べて)アルミタンクで潜ると、体が浮き気味にらるのは何故?
内容積10L・200気圧充填のスチール、アルミ両タンクの 海中での『総重量と浮力との差』(浮き沈み)を比較すると‥、
スチールタンク総重量 15.768kg > 浮力 11.97kg 『3.79kgの沈む力』
アルミタンク総重量 17.16kg > 浮力 15.61kg 『1.55kgの沈む力』
となり、スチールタンクはアルミタンクよりも 約2.2kg多い『沈む力』を有しています。アルミタンクから見れば、スチールタンクは ウエイトの付いたタンクです。
そのため 前回スチールタンクで潜ったダイバーが 今回アルミタンクを使って前回と同様のダイビングを行うには、この『沈む力』の差に相当する 最低2kgのウエイト増量が必要です。
しかし多くの場合 この調整を行なわずにアルミタンクで潜るので、ダイバーの体は『浮き気味』になるのです。
* (例)10Lスチールタンク&装着ウエイト6kg ⇒ アルミタンク&同8kg
+ 10L以外のタンクについては、
別記 『ダイバーが装着するウエイト量』 をご覧下さい。
4. 「タンクの材質(スチール、アルミ)によってウエイトを調整しなければならない」 この手間 何とかならないの?
スチールタンクと同等の『沈む力』(総重量と浮力との差)を有するアルミタンクを製造すれば、ダイバーは材質を理由としたウエイト調整が開放されます。
ところがその様なアルミタンクとは、タンク重量 17.5kg、充填時の総重量 20.76kg。現状の充填済みアルミタンクよりも 約3.6kg、スチールタンクよりも 約5kg重くなり、とても実用には適さない代物です。
故にアルミタンクは タンク重量を現状の 13.9kg(充填総重量17.16kg)に留めて、スチールタンクとの間に生じる『沈む力』の差(約2.2kg)の解消は ダイバーによるウエイト調整に委ねたのです。
では逆に スチールタンクをアルミタンク並みの『沈む力』(総重量と浮力との差)にすべく、重量を軽減(肉厚を薄く)できるかと言えば‥、
導き出されるスチールタンクとは タンク重量 約9.92kg(総重量 13.18?)で、 空気が有する『浮く力』(約7.7?)は十分解消できますが、重量の2割減った分 当然 容器の肉厚も薄くなるので 十分な耐圧強度が得られません。
* より耐圧強度に優れたスチール合金は、既に存在します。また それを使ってタンクを作ることも可能です。しかし 新奇製造に伴い価格が上昇したタンクの購入費用と 現存タンクの破棄費用、これらがレンタルタンク代に添加されることを、ダイバーが容認するとは思えません。
* ダイバーにとって スチールタンクが有する『沈む力』はウエイトの一端を担っています。タンク重量が現状よりも軽くなれば、ダイバーは装着ウエイト量を増やさなければなりません。
参照 : 『ダイバーが装着するウエイト量』
5. タンクの重さ、何とかなりませんか?
高圧とは言え、僅か3kgにも満たない空気を運ぶタンクの重さが12kg以上もある。「ペットボトル程に軽ければ‥」と 誰もが思うこと。しかし キャップをした空の(実際には大気圧の空気が入った)ヘットボトルでさえ、簡単には沈みません。仮に ペットボトルの様に薄くて軽く、耐圧強度にも優れた素材が発明させたとして、それで作られたダイビング用タンクは 使い物になりません。
【解説1】で説明した通り、空気は『約7.7kgの浮く力』を有しており、ペットボトルの様な超軽量タンクを装着したダイバーは 現行プラス8kgのウエイトを装着しなければ 沈むことは出来ません。つまり ダイビング用タンクには、空気が有する『浮く力』を相殺するだけの重量が必要なので、軽量素材によるタンク総重量の軽減は難しいのです。
* 新素材の開発は『軽量・高強度』が主流です。浮力という特殊な条件下を考慮した素材の開発は、シートピア計画の様なものが具体化しない限り 実現は有り得ないでしょう。
『タンク総重量の軽減方法』として 『超高圧充填によるタンクの小型化』が挙げられますが、その実現も困難と言えます。
高圧ガス製造業者(タンクを充填・貸出する側)からすれば、『現存設備の減価償却』 『新設備への投資』 『資金の回収(=料金値上げ)』は難題です。超高圧ともなれば、その新規設備費は高額となり、それをタンクの貸出価格にそのまま転嫁することはできません。
超高圧充填タンクは、ダイバーにとっても負担増です。レギュレーターの改良や買い替え、残圧計や高圧ホースの取替、タンクレンタル代の値上げ等々。
* 仮に 現在使われている(10L・200気圧充填)スチール合金タンクの耐圧強度を2倍にして 5L・400気圧充填が可能になったとしても、タンク総重量が半減される訳ではありません(タンク総重量は約10kg)。陸上において フル装備のダイバーが移動する距離は ポイントによって大きく異なりますが、その際の負担重量を5kg減らすための費用対効果を考えれば、実現の難しさを実感できると思います。( 貴方は、『5kg軽量化、レンタル代 5割増〜倍額』のタンクを望みますか?)
開発面・金銭面 いずれにおいても、軍事・業務用ならともかく 民生用としての実現・普及は難しいのです。
6. 『残圧50気圧ルール』の点から考えれば水中でのバランス(総重量と浮力との差)に優れたアルミタンクではありますが、国内では 好評とは言えません。理由として 以下のことが考えられます。
* アルミタンクの利点として錆びないことが挙げられますが、スチールタンクも材質を改良することで 非常に錆び難くなりました。
* アルミタンクは、日本人(特に女性)には長すぎて使い辛い。
* ダイバーの装着重量(陸上での荷重)を比較すると、アルミタンクはスチールタンクよりも少なくとも約3.4?重くなります。
(増加分内訳)
? スチール、アルミ各タンクの総重量の差: 約1.4kg
? スチール、アルミ各タンクの『総重量と浮力との差』を補うためのウエイト量 : 約2kg (上記「3」参照)
7. 10L・200気圧充填可能(同容籍・同充填圧)スチールタンクの中から、充填済(未使用)と使用済を素早く判別する手段として、タンク中程をノックした時の音の高低差を用いる『簡易法』があります。
* 原理は 弦楽器と同じで、高[低]張力(高[低]タンク内圧)では 打音は高[低]音程となります。
* タンク肉厚には若干のバラつき(肉厚差)があるので、タンク残圧と打音(音の高低)との関係にも 僅かに違いが生じます。因ってこの方法は おくまでも目安と考え、最終確認には 必ずエアモニター(残圧計)を使用して下さい。
* 異なる容積・常用圧力のスチールタンクの比較には 使えません。
* アルミタンクでは 音の高低幅が狭く、判別が難しいので適用外です。
寄せられた問いにお答え致します。
『スチールタンクとアルミタンク』の【解説】を読んでいると アルミタンクが厄介者の様に思えてきます。確かに国内ではスチールタンクを多く見かけますが、私が行った海外のダイビングスポットでは 全てアルミタンクが使われていました。この違いは何なのでしょうか。
仰るとおり スチールタンクの優位性を唱え、アルミタンクが厄介者であるかの様に受け取れる内容なので、ここで擁護します。
クストーやガニアンらによって開発されたSCUBAは 1949年にアメリカに伝わり、更に『アメリカ式のSCUBAダイビング』が全世界に広がりました。
* 指導団体、海外リゾートの建設、器材販売網 等々。
当初はスチールタンクしかなく、しかも現在よりも遥かに錆び易いものでした。アルミタンクは1950年代半ば頃には製造が始まりましたが、現在の様に形状が整えられたのは 1970年代初頭のことです。
重器材が今よりも遥かに高価で その殆んどが輸入品だった時代、日本で特許に抵触する事無く また 技術的・コスト的に製造可能な重器材はスチールタンクぐらいでした。折しも アルミタンクの破裂事故や上記【解説6】の内容 等も相まって、日本ではスチールタンクが主流となりました。
* 破裂事故はアルミタンクに限ったことではなく、スチールタンクでも起きていました。それにも拘らず アルミタンクだけが誇張されたのは、納得のいかないところです。
既に海外にはアメリカ(アルミタンク)の販売網が確立されていて スチールタンクが進出する余地は無く、日本だけが例外的な地域となりました。
(補足) 先に述べた『アメリカ式SCUBAダイビング』について‥
1. 国土が広大でレンタルが難しいアメリカでは、(日本に比べて)マイタンクが普及しています。
* ダイバーが借受・返却に立ち寄る手間。加えて SCUBA開花期のダイバーは 皆お金持ち。クルーザーへの常設ヤ維持・管理を考えると、当時錆び易かったスチールタンクよりもアルミタンクの購入を選択した という経緯があります。
更にアメリカから世界中にSCUBAは広がっていったので、当然 アルミタンクが世界の本流となりました。
* 特に南の島では、維持・管理の点(錆びない)からもアルミタンクが選択され、その流通ルートも確立されました。
2. 下の表は、10L・200気圧充填タンク1本の海水中における『浮き沈み』(総重量と浮力との差)、「残圧200、50気圧時の総重量」「浮力」を示したものです。
タンク重量 * (kg) |
各タンク圧における浮き沈み |
総重量 * (200気圧) |
浮力 |
総重量 * (50気圧) | |
200気圧 |
50気圧 |
アルミ W13.9 |
1.55kg沈む力 |
0.37kg浮く力 |
17.16kg |
15.61kg |
15.24kg |
スチール W12.5 |
3.79kg沈む力 |
1.87kg沈む力 |
15.76kg |
11.97kg |
13.84kg |
* タンクに刻印されている本体のみの重量。タンクバルグの重量は 含まれません。 (13.9 kg ≒ 30.7 ポンド)
* タンク本体、タンクバルブ、空気(各タンク圧)の合計重量。「ブーツ無しアルミタンク」と比較するために、ここでは敢えて タンクブーツの重量を加算していません。
* 浮力については、上記 (アルキメデスの原理) をご覧下さい。
* 製造年代やメーカーにより スチールタンクの本体重量には、0.5〜1?の差があり、「沈む力」も若干異なります。詳細については、
別記 『ダイバーが装着するウエイト量』 をご覧下さい。
欧米人は比較的寒さに強く、水温が高い水域ではラッシュガード等で潜ります。ラッシュガード着用ならば 浮力を解消するためのウエイトを必要としないので、『ウエイト(錘)付きタンク』とも言えるスチールタンクよりも 水中バランスに優れたアルミタンクは有利です。(上記表参照)
また 欧米人ダイバーは日本人ダイバーに比べて体が大きく 空気消費量が多いので、ダブルタンクの使用頻度が高まります。この場合も、水中バランスに優れたアルミタンクは有利です。
3. 複数本のタンク装着が求められるダイビング(作業・洞窟・深深度潜水 等)では、タンクが有する『沈む力(一部 浮く力)』が装着本数に比例します。
満充填のスチールタンク3本は
(タンク総重量15.76kg − 浮力11.97kg) × 本数3 = 11.37kg
の『沈む力』を有し、更に 深く潜れば その水圧に伴うスーツ[インナーウェア]が有する『浮く力』の減少分が加わるので、ダイバーのウエイト調整は複雑になります。アルミタンクを使えば、この煩わしさから開放されます。
* 複数本アルミタンクの浮き沈みは、BCDによる浮力調整でカバーできる範囲内です。
* アルミタンクは『沈む力(一部 浮く力)』が小さいので、水中における取扱(取り回し)が容易です。
4. 欧米人ダイバーは日本人ダイバーに比べて 海外リゾートでの滞在日数が非常に長いので、1日1回の 複数本タンクを装着しての深深度ダイビングは珍しくありません。
* 午後は観光その他、遊び上手。
また 明確な潜水目的を持ち、そのために複数本タンクによるダイビングを行う傾向があります。
(余談)
陸上では ゲージ圧0気圧のタンクから空気を吸うことは出来ませんが、その中には 周囲の圧力と同じ大気圧×内容積の空気が入っています。
水深20mでエア切れになり、空気の来なくなったレギュレーターやタンクの中には 周囲圧(3気圧)の空気があります。
ここからフリーアセントを行う際にセカンドステージを銜えていれば、水面到達までに 理論上はタンクの内容量×2気圧分の空気が吸えます。但し 吸気抵抗は相当なものですが‥。
* 非依存性(シェアエアに頼らない)単独緊急浮上。
だからといって試さないで下さい。エア切れになる少し前から吸気抵抗は大きくなり、ダイバーは吸気不全(酸欠に近い)状態になります。これにストレスが加われば、僅かな空気など あっという間に消費します。
また 排気が滞れば、エアエンボリズムの危険性も。だったら BCD内の空気を吸ったほうが‥。いずれにしてもお勧めできません。
☆ ご意見・ご質問等ございましたら、下記アドレスまでお送り下さい。