レギュレーターの各中圧および高圧ホースが正しい位置に取付られているか確認し、必要に応じて修正して下さい。

    * 詳しくは、メンテナンス(維持・管理)

            『中圧・高圧ホースの取付位置』 をご覧下さい。

 

年間潜水本数が100にも満たないレギュレーターの中圧・高圧ホースを、僅か数年で交換しなければならない原因のひとつに 『収納・保管方法』が挙げられます。事実 年間数百本潜る現地スタッフやガイドが使用するレギュレーターの中圧・高圧うホースを 数年で交換することは まずありません。彼らは日々潜るので、大きくループ(輪)状にしたレギュレーターをBCDの内側に収めて メッシュバックに入れているので、ホースに負荷がかかりません。

 

レギュレーターを小さなバックに無理矢理押し込むと、中圧・高圧ホースは 小さな円を描く様に曲がります。

  元来 ホースは柔軟性に富む素材(合成ゴム)を用いて 真っ直ぐに作られています。これを無理に曲げてしまうと《左図》の様に、その外周側には伸ばす力(青矢印)が、内周側には縮める力(赤矢印)が加わります。

  外周側は 合成ゴムの特性として均等に伸びますが、内周側は均等に縮む事ができないので 『皺』になります。この極端なホースの曲げ伸ばしを繰り返す内に 『皺』は『亀裂』となります。《写真 左》

    * 耐圧強度が要求され、中圧ホースよりも太くて硬い高圧ホースで多く見られる現象です。

    * 古いレギュレーターの中には ファーストステージの中圧ホース取付ねじ径(ホースポート)が1/2インチのものがあります(現行は 3/8インチ)。このタイプは 中圧ホースの線径がより太く、また 素材の経年劣化も相まって 更に注意が必要です。

  また ホースのかしめ部付近に曲がりが集中すると、そこは金属製で弾力がないので ゴム部分にだけ力が加わります。中圧ホースは 付け根から鈍角に折れ曲がってしまいます。《写真 右》

    * 高圧ホースよりも細くて柔らかい中圧ホースに多く見られる現象です。

 各ホースの取付位置に因っては、この様な状態がダイビング中でも起きているのです。冒頭で述べた『各ホースの取付位置の確認・修正』は これを予防・解消するためのものです。

 

レギュレーターを収納するバッグについては 少なくとも横 40?、縦 30?、幅(厚さ)10?の大きさが必要です。

    * この数値は、レギュレーターのポート(ホースの取付口)位置によって若干異なります。

    * 代用品 : ノートパソコン・キャリーバッグ (幅のあるものが望ましい)

    * 横幅が狭い または 直径35cm以下の円筒形状のバッグは、『ホースへの負荷』が大きいので 避けた方が良いでしょう。

 

保管スペースに余裕のある場合は バックから取り出し、平らな所に ゆったりとしたループ(輪)状に置きましょう。

    * 先に紹介した 年間数百本潜る現地スタッフやガイドの収納方法です。

  また レギュレーターを収納したバッグを 立てて保管する 際には《矢印で示す様な》緩衝材を入れて、ホースへの負荷をより軽減する工夫をしましょう。

 

中圧・高圧ホースの維持・管理のためにも、良質なホースプロテクターの取付をお勧めします。

 

 

ご意見・ご質問等ございましたら、下記アドレスまでお送り下さい。

            scuba@piston-diaphragm.com